コロナ禍を経て、お菓子やパン作りのレッスンスタイルは大きく変化しました。
対面レッスンに加え、オンラインレッスンという選択肢が定着し、今では両方のスタイルが一般的になっています。
「どちらのスタイルを選べばいいの?」
「それぞれどんな特徴があるの?」
こうした疑問をお持ちの方も多いはず。
この記事では、両方のレッスンを経験してきた講師の視点から、それぞれのメリット・デメリットを詳しくご紹介します。
レッスンを受講したい方はもちろん、お教室開業を考えている方は参考にして下さい。
対面レッスンのメリット
まずは、対面レッスンの特徴から見ていきましょう。
講師と生徒、それぞれの立場からメリットを整理していきます。
受講生側のメリット
- 材料を用意する必要がない
- レッスンに集中できる
- 先生のお手本と見比べながら学べる
- 生地や感触を直接確認できる
- 雰囲気を楽しめる
何と言っても、材料がすべて準備されているのが魅力的!自分で揃える手間がなく、レッスンにだけ集中できます。
また、先生のお手本と自分の作品を実際に見比べながら学べるのも大きなポイント。
パン作りなら生地の感触を直接確認できますし、お菓子作りでも「この硬さでいいのかな?」といった疑問をその場で解決できます。
そして雰囲気も大切なポイントですね。
和気あいあいとした空間で、質問もしやすい環境です。
また、普段とは違う空間でレッスンを受けられる「非日常感」も、楽しみの一つかもしれませんね。
講師側のメリット
- 生徒さんの進捗を直接確認できる
- 対面ならではのコミュニケーションが取れる
- 生徒さんの進捗見ながら進め方を微調整することができる
生徒さんの手元を直接見ることができるので、きめ細かい指導が可能です。
「ここをこうすると、もっと良くなりますよ」
といった感じで、その場でサポートできるのが最大の強み。
また、対面だからこそ生まれる自然なコミュニケーションも、講師にとって嬉しい点です。
生徒さんの反応を見ながら、レッスンの進め方を微調整することもできます。
材料の準備は大変ですが、その分、確実に理想の仕上がりに導けるという安心感があります。
対面レッスンのデメリット
しかし、対面レッスンにも課題はあります。
実際の運営では、以下のようなデメリットを考慮する必要があります。
受講生側のデメリット
- 天候が悪くても通わないといけない
- レッスンの記録が残らない
- レッスンの振り返りはメモ次第
一番のネックは、天候に関係なく通わなければならないこと。
大雨の日でも、約束した以上はレッスン会場まで足を運ぶ必要があります。
また、レッスンの記録が残らないのも悩みの種。
せっかく学んだコツや手順も、時間が経つと「あれ?どうやったんだっけ?」と曖昧になってしまいます。
メモを取っても、細かなニュアンスまでは記録しきれないものですよね。
講師側のデメリット
- 掃除、材料の準備に労力がかかる
- キャンセルの判断が難しい
- 受けれ人数に限りがある
講師にとって最大の負担は、レッスン前の準備。
教室スペースの掃除から材料の準備まで、想像以上に時間と労力がかかります。
特に自宅でレッスンを行う場合は、家族の生活時間との調整も必要になってきます。
また、生徒さんが悪天候の中で来てくださることへの申し訳なさや、キャンセルの判断の難しさなども心理的な負担に。
さらに、教室のスペースの関係で受け入れられる人数にも制限があるため、収益面での限界もあります。
オンラインレッスンのメリット
では次に、オンラインレッスンの良さについて見ていきましょう。
コロナ禍を経て急速に普及したオンラインレッスンですが、実は数多くのメリットがあります。
受講生側のメリット
- 自宅で気軽に参加できる
- 小さい子どもがいても安心
- 録画機能で見返すことができる
- 残った材料でもう一度作れる
何と言っても、自宅で気軽に参加できるのが最大の魅力!
小さなお子さんがいる方も、自宅なら安心してレッスンに集中できます。
録画機能があるのも大きなポイント。
「あのステップ、もう一度確認したいな」という時も、何度でも見返すことができます。
しかも早送り機能を使えば、効率的に復習することも。
材料を自分で用意するのは手間ですが、それが逆にメリットに。
残った材料でもう一度作れるので、再現性がグンと高まります。
実際、オンラインレッスンの方が復習頻度が高いという声も多いんです。
講師側のメリット
- 大掛かりな掃除や生徒さんの材料の準備が不要
- 受講人数に制限がないので収益を増やしやすい
- キャンセルが少なくなる
教室の掃除や材料の大量準備から解放されるのは、本当に大きな負担減。
自分の分だけ用意すればいいので、効率的にレッスンを進められます。
受講人数の制限も少ないため、より多くの方にレッスンを提供できます。
対面レッスンだと4人が限界でも、オンラインなら倍以上受け入れることも可能です。
キャンセルも少なくなるのがうれしいポイント。
例えば、家族が少し体調を崩したような時も、自宅なら無理のない範囲で参加していただけますし、参加できなかった場合も「アーカイブ(録画)受講」で対応することもできます。
オンラインレッスンのデメリット
ただし、オンラインレッスンにも課題はあります。
特に初めての方は、以下のような点に注意が必要です。
受講生側のデメリット
- 材料は全て自分で準備する必要がある
- 出来上がりが正解か判断しにくい
- 材料の選びに悩むことも
材料を全て自分で用意する必要があるため、初めての方には少しハードルが高く感じられます。
また、出来上がりが正解かどうか、実物を見て確認できないのも不安要素の一つ。
「先生の作品と同じ味になっているのかな?」という疑問が残ることも。
特に材料選びは悩みどころ。
例えば「バニラエッセンスでも代用できるかな?」と思っても、レシピではバニラペーストが必要だったり。
チョコレートの種類一つとっても、イメージした仕上がりにならないことがあります。
講師側のデメリット
- 直接サポートできない
- 生徒さんの環境がそれぞれ異なるため、同じ仕上がりになりにくい
画面越しの指導には限界があり、「手を添えて教えたい」と思っても直接サポートができません。
特にパン作りのような、生地の状態が重要な作業では、もどかしさを感じることも。
また、生徒さんそれぞれの環境の違いへの対応も必要です。
例えば、オーブンの種類や特性が異なると、同じレシピでも焼き上がりに差が出てしまいます。
その際のアドバイスや調整方法を、言葉だけで的確に伝えるのは、講師の腕の見せどころとなります。
まとめ:それぞれの特徴を活かした選び方
対面レッスンとオンラインレッスン、それぞれに特徴があり、一概にどちらが優れているとは言えません。
選び方のポイントは、自分のライフスタイルと学習目的に合わせること。
お菓子やパン作りを初めて学ぶ方は、まずは対面レッスンで基礎をしっかり身につけるのがおすすめ。
その後、オンラインレッスンで復習を重ねながら、自分のペースでスキルアップを図るという組み合わせも効果的です。
講師の方は、自身の教室環境や指導スタイルに合わせて選択を。
ただし、現代では両方の形式に対応できる準備をしておくと、より多くの生徒さんのニーズに応えられます。
大切なのは、どちらの形式でも、生徒さんと講師の双方が無理なく楽しめる環境を作ること。
それが、長続きする教室づくりの秘訣です。